アメリカン・フォックスハウンド
植民地時代のアメリカで、群れでキツネを一日中追うために作られた大型嗅覚ハウンド。持久力が桁違いで、群れで暮らすように作られているため長時間の留守番も苦手です。
- 体重
- 27–32 kg
- 寿命
- 11–13 年
体重と寿命は犬種ガイドの参考範囲です。性別・系統・個体によって異なり、愛犬の適正体重や寿命を予測するものではありません。性格や世話の負担は、本文と実際の犬の生活歴を合わせて確認してください。
犬種の背景と特徴
アメリカン・フォックスハウンドは、17世紀にイギリスから持ち込まれた猟犬をアメリカの広く起伏の多い地形に合わせて作り直した犬種です。イングリッシュ・フォックスハウンドより体が軽く脚が長く、群れで一日中キツネの匂いを追い続けられる持久力に重点が置かれています。ここから二つのことが決まります。
ひとつは、普通の散歩ではまず疲れないこと。もうひとつは、単独で留守番するのが苦手なことです。群れの中で暮らすように作られた犬なので、日中ずっと一人にすると遠吠えや破壊行動につながります。
運動と遊び
必要な運動は1日1時間半以上で、その多くが歩きではなく走りである必要があります。ランニングやサイクリングの相棒としては優秀ですが、室内遊びや近所を一周する散歩では到底足りません。そこに嗅覚を使う活動を加えてください。
嗅覚ハウンドにとってノーズワークは趣味ではなく運動の一部です。囲いのない場所でリードを外すのは危険で、匂いを追い始めると数キロ移動し、その間は呼び戻しがほとんど届きません。
被毛と日常のお手入れ
手入れは非常に簡単です。短く硬い被毛なので週1回ラバーブラシをかければ十分で、トリミングは不要です。垂れ耳の中が蒸れやすい点だけ定期的に確認してください。
性格と暮らし方
見落とされがちなのは声としつけの性質です。フォックスハウンドの吠え声は、猟師が遠くから群れの位置を把握できるように選ばれたもので、日本の住宅街ではかなり大きく響きます。しつけが難しいのは頭が悪いからではなく、優先順位が違うからです。
鼻が働いている間、人の指示は後回しになります。刺激の少ない場所で、短時間・高価値の報酬で教えるのが現実的です。健康面は比較的丈夫ですが、股関節形成不全、慢性外耳炎、そしてこの犬種で報告されている血小板機能異常による出血傾向があり、手術前には獣医師に相談しておくと安心です。
住環境と世話の計画
日本の住宅事情では正直に言って難易度の高い犬種です。集合住宅で毎日1時間半の運動時間を確保するのは容易ではなく、確保できても日中の留守番が長ければ遠吠えで近隣トラブルになります。庭のある戸建てで、飼い主自身が毎日走る生活をしている場合に初めて選択肢になります。
夏は持久力のある犬ほど自分では止まらないため、高温多湿の日は飼い主が先に時間を切り上げて熱中症を防いでください。