アメリカン・エスキモー・ドッグ
名前に反して北極とは無縁で、ドイツ・スピッツを祖先にアメリカで確立した白いスピッツ。サーカスで芸を披露した歴史どおり覚えが早い一方、抜け毛と吠えは覚悟が必要です。
- 体重
- 2.7–16 kg
- 寿命
- 13–15 年
体重と寿命は犬種ガイドの参考範囲です。性別・系統・個体によって異なり、愛犬の適正体重や寿命を予測するものではありません。性格や世話の負担は、本文と実際の犬の生活歴を合わせて確認してください。
犬種の背景と特徴
アメリカン・エスキモー・ドッグは名前とは違い北極圏とは関係がありません。ドイツ系移民がアメリカへ持ち込んだ白いジャーマン・スピッツ系の犬が祖先で、第一次世界大戦前後の空気のなかで現在の名前になりました。20世紀初頭には巡業サーカスの人気者で、この経歴が気質をよく説明します。
新しい動作を驚くほど速く覚え、人の反応を楽しみ、やることがなければ自分で遊びを見つけてしまいます。
体格とサイズの区分
サイズはトイ(3〜4kg台)、ミニチュア(5〜9kg台)、スタンダード(10〜16kg台)の3種類に分かれるため、迎える前にどの区分かを必ず確認してください。運動量はサイズによらず似ていて、1日2回30分前後の散歩に、頭を使う時間を15分ほど足すのが目安です。この犬種にとってトレーニングは娯楽ではなく運動の一部で、10分の芸の練習が散歩30分に匹敵する落ち着きをもたらします。
被毛と日常のお手入れ
被毛の手入れは軽くありません。真っ白に近い厚いダブルコートで、普段でも週2〜3回、換毛期は毎日のブラッシングが必要です。白い毛は暗い色の家具や服の上でよく目立ちます。
抜け毛対策としてバリカンで短くするのは避けてください。毛質が戻らなくなり、紫外線や熱にかえって弱くなります。顔が白いため涙やけが目立ちやすく、目元を毎日拭く習慣も必要です。
迎える前に確認すること (2)
初心者が見落とすのは吠えと留守番です。警戒心と人への強い愛着が重なるため、子犬のうちから段階的に留守番の練習をしないと要求吠えが定着します。集合住宅ではここが最大のリスクになります。
健康面では膝蓋骨脱臼、股関節形成不全、進行性網膜萎縮が知られています。
住環境と世話の計画
日本ではフローリングが滑ることで膝への負担が大きくなるため、犬の動線にマットを敷いてください。夏は厚い下毛が湿気で熱を逃がしにくいので、日中の散歩を避け、シャンプー後は根元まで完全に乾かすことが皮膚炎の予防になります。