スキッパーキ
ベルギーの工房や運河の船でネズミ捕りと番犬を兼ねてきた小型の黒い犬。体は小さいのに頭は使役犬そのもので、吠えと脱走癖への対策が飼育の中心になります。
- 体重
- 4–7 kg
- 寿命
- 12–16 年
体重と寿命は犬種ガイドの参考範囲です。性別・系統・個体によって異なり、愛犬の適正体重や寿命を予測するものではありません。性格や世話の負担は、本文と実際の犬の生活歴を合わせて確認してください。
犬種の背景と特徴
スキッパーキはベルギー・フランドル地方の職人や船乗りが連れていた小さな黒い犬を起源とします。作業場や運河の荷船でネズミを捕り、見知らぬ人が近づけば吠えて知らせるのが仕事でした。FCIではこの犬種を牧羊犬のグループに分類しており、体重5kg前後にもかかわらず中身は中型の使役犬に近いという印象を受けるはずです。
家の中を巡回するように歩き回り、外の物音を一つずつ確認しに行き、退屈すれば自分で仕事を作り出します。
運動と遊び
運動は1日2回、30〜40分ずつ、においを十分に嗅がせる散歩が目安です。そこに頭を使う時間を10〜15分足してください。ノーズワーク、簡単なトリック、フードを探させる遊びで十分です。
体だけ疲れさせて頭が空いたままだと、吠えといたずらに戻ってきます。庭がある家では柵の下の隙間を先に点検してください。小さな体で隙間を抜け、掘り、見た目以上によじ登ります。
被毛と日常のお手入れ
被毛は硬い上毛と密な下毛のダブルコートで、首回りと後肢の飾り毛が特徴です。トリミングは不要で普段は週1回のブラッシングで足りますが、年に1〜2回、下毛がまとまって抜ける時期には2〜3週間毎日梳く必要があります。抜けるからといってバリカンを入れると毛質が戻らなくなるため避けてください。
迎える前に確認すること
初心者が見落とすのは吠えです。吠えて知らせることが本来の仕事だった犬なので、後から直すのではなく最初から方向づける必要があります。日本の集合住宅ではここが最大の争点になります。
玄関が直接見えない配置にする、インターホンの音に慣らす、といった準備を子犬のうちから始めてください。健康面では膝蓋骨脱臼、甲状腺機能低下症、進行性網膜萎縮、レッグ・カルベ・ペルテス病に加え、この犬種で知られる遺伝性代謝疾患のMPS IIIBがあります。遺伝子検査で事前に判別できるので、繁殖者に両親の検査結果を確認するのが最も確実です。
住環境と世話の計画
日本では飼育頭数が少なく、獣医師も見慣れていない場合があります。かかりつけを決めるときに犬種を伝えておくと後が楽です。夏は黒い被毛が日射を吸うためアスファルトの照り返しで体温が急に上がります。
7〜8月は日没後に散歩時間をずらし、室内では冷たい床に寝られる場所を確保してください。