プーリー
ハンガリー原産の牧羊犬で、被毛が自然にコード状に絡んで固まるのが特徴です。抜け毛は床にほとんど落ちませんが手入れの難度は最高クラスで、運動量も多く、日本ではまだ珍しい犬種です。
- 体重
- 10–15 kg
- 寿命
- 10–15 年
体重と寿命は犬種ガイドの参考範囲です。性別・系統・個体によって異なり、愛犬の適正体重や寿命を予測するものではありません。性格や世話の負担は、本文と実際の犬の生活歴を合わせて確認してください。
犬種の背景と特徴
プーリーはハンガリーの大平原で羊の群れを動かしてきた中型の牧羊犬です。牧夫の指示を待たずに群れの向きを変え、散った羊を集め直す仕事を担ってきたため、瞬発力と自分で判断する力が同時に育ちました。この経歴が今の気質をそのまま説明します。
体が軽く方向転換が速く、状況を見ると指示を待たずに動こうとします。覚えは速いのですが、やることがないと自分で仕事を作り出します。その仕事はたいてい吠えることです。
運動と遊び
運動は1日1時間以上を前提にしてください。朝夕の散歩だけでは足りず、週に2〜3回はボール遊びやアジリティのように急な方向転換が入る運動を入れると体が満たされます。加えてノーズワークや新しい芸を覚えさせる時間を15分ほど作ると、室内での落ち着きがはっきり変わります。
運動が足りないプーリーは窓の外や玄関の音に向かって吠える犬になります。集合住宅では、吠えたあとに止める合図を子犬のうちから教えておくことが同居の条件になります。
被毛と日常のお手入れ
手入れがこの犬種最大のハードルです。下毛と上毛が絡み合って自然にコードができるため、生後8〜12か月ごろから固まった毛の塊を手で裂いてコードに分ける作業が必要になります。ブラシで梳かす犬種ではなく、手で割く犬種です。
抜けた毛はコードの中に留まるので床には落ちませんが、シャンプー後に完全に乾かすまで半日から丸一日かかります。乾ききらないコードは臭いと皮膚炎の原因になるため、梅雨から夏にかけては全身浴の回数を減らし、足回りと腹だけを洗って確実に乾かす方法が現実的です。コードを扱えるトリミングサロンは日本ではごく限られるので、飼う前に対応可能な店を探しておいてください。
維持が難しいと判断したら、短くカットして飼う選択も十分にありです。
健康面で確認すること
健康面では股関節形成不全、膝蓋骨脱臼、進行性網膜萎縮症が知られています。毛が目を覆うため目の異変に気づくのが遅れやすく、定期的に毛を分けて目を確認する習慣が役に立ちます。
住環境と世話の計画
日本の住環境では夏の湿度が最大の敵です。密なコードは断熱材のように働き、熱が逃げません。日中の散歩は避け、早朝と夜に時間を移してください。
マンションでも運動さえ足りていれば室内では比較的静かですが、警戒心が強いので共用廊下の足音への反応だけは早めに整えておくと安心です。