パグ
何百年も人のそばにいることだけを役割としてきた小型犬。穏やかで運動量も少ない一方、短頭種特有の呼吸の問題、夏の暑さ、眼のけがには継続的な配慮が要ります。
- 体重
- 6–8 kg
- 寿命
- 12–15 年
体重と寿命は犬種ガイドの参考範囲です。性別・系統・個体によって異なり、愛犬の適正体重や寿命を予測するものではありません。性格や世話の負担は、本文と実際の犬の生活歴を合わせて確認してください。
犬種の背景と特徴
パグは古くから中国で身分の高い人のひざの上で暮らす犬として育てられ、その後オランダ商人を通じてヨーロッパへ渡り、王室や貴族のあいだで定着しました。狩猟も牧畜も番犬も担ってこなかった、最初から最後まで伴侶が目的の犬種です。日本でも古くから知られ、穏やかで扱いやすい小型犬として人気があります。
性格はのんびりしていて人によくなつき、子どもや高齢の家族がいる家庭にも向きます。しつけがとくに得意なタイプではありませんが、頑固というより気が散りやすいだけなので、短く楽しいセッションを何度も分けて行うとうまくいきます。
運動と遊び
運動は1日20〜30分の散歩を2回程度で十分で、それ以上を無理に求める必要はありません。むしろこの犬種で問題になりやすいのは肥満です。食への意欲が強く運動量は少ないため、おやつがそのまま体重になります。
体重が増えると呼吸が苦しくなり、関節や背骨の負担も増えるので、フードは目分量ではなく計量して与える習慣が効きます。
健康面で確認すること
健康面でまず知っておくべきは呼吸です。頭蓋骨が短く詰まった短頭種で、鼻の穴が狭い、軟口蓋が長いといった特徴が重なると短頭種気道症候群になります。いびきや運動後に長く続く荒い呼吸はよく見られますが、犬種の個性として片づけず、一度気道の評価を受けてください。
麻酔のリスクも平均より高めです。眼も弱く、眼窩が浅いため角膜を傷つけやすく、強い衝撃で眼球が飛び出す事故も報告されています。散歩中の草むらや他犬との顔の接触に注意し、目をこする、涙が増えるといった変化があればすぐ受診してください。
ほかに椎骨の奇形、鼻のしわの皮膚炎が多く見られます。
住環境と世話の計画
日本の住環境では夏が決定的です。放熱の通り道が狭い犬にとって、梅雨から9月の高温多湿の日中は危険です。散歩は早朝か日没後に移し、アスファルトに手の甲を当ててから出て、昼間は冷房の効いた室内での短い遊びに置き換えます。
首を圧迫しないハーネスも役立ちます。集合住宅との相性はよく、吠えは強くなく広さも必要としません。ただし被毛は短くても思ったより抜けるので、週1〜2回のブラッシングとこまめな掃除、そして鼻のしわを定期的に拭いて乾かすことを習慣にしてください。