ブラックウォルナット
危険ブラックウォルナットは犬に有毒です。落ちた実や果皮に生えるペニシリウムがペニトレムAなどの振戦性マイコトキシンを作り、30分〜3時間で激しい震えとけいれんを起こします。すぐに動物病院へ。
この食品ガイドは現在、獣医師の監修を受けていません。出典を整理した一般情報であり、個々の犬への給餌や緊急時の判断には使用しないでください。
与える前に確認しましょう
おやつとして与えないでください
体重別の推奨量がない危険な項目です。食べた場合は量・時刻・製品情報を確認して動物病院に連絡し、自分の判断で吐かせないでください。
注意したい症状と健康上の問題
目で分かる症状と、診察・検査で確認する問題が含まれます。この一覧だけで原因や安全性を判断することはできません。
- 嘔吐
- 筋肉の震え
- 刺激に対して過敏になる
- ふらつき・運動失調
- 眼振
- 頻脈
- 体温の異常な上昇
- けいれん発作
この食品について詳しく
ブラックウォルナット(Juglans nigra、クロクルミ)は、製菓用の一般的なくるみとは分けて考える必要があります。危険なのは実の栄養成分ではなく、果皮(ハスク)や地面に落ちた実に繁殖するカビです。実際の犬の中毒例では、カビの生えたくるみからペニシリウム・クルストサムが作るペニトレムAが分離されています。ペニトレムAは神経細胞の大コンダクタンスCa2+活性化K+(BK)チャネルを遮断し、抑制性伝達物質GABAの働きを妨げます。ブレーキが外れた状態になるため、筋肉が制御を失って激しく震えるのです。同時に検出されるロックフォルチンCも同じ方向に作用します。
安全量という概念はありません。カビた果皮を少量口にしただけで症状が出ます。発症は通常30分〜3時間で、嘔吐に続いて筋振戦、動こうとすると強まる企図振戦、音や接触に過敏に反応する知覚過敏、ふらつき、眼振、頻脈、震えそのものによる高体温、そしてけいれん発作へ進みます。高体温とけいれんの持続は横紋筋融解と腎障害を招くため、それ自体が命に関わります。
日本では庭木として一般的ではありませんが、輸入ナッツミックスや製菓材料、園芸用の苗木として身近に入ってきます。少しでも食べたと分かったら、まだ元気に見えても直ちに動物病院に連絡してください。夜間は救急動物病院の連絡先を先に確認しておきましょう。家庭で吐かせようとしてはいけません。震えている犬・けいれんしている犬への催吐は禁忌で、誤嚥性肺炎を招きます。治療はメトカルバモールなどの筋弛緩薬と鎮静、冷却、輸液、重症例では脂肪乳剤の静脈投与です。症状が24〜72時間続くこともあり、入院管理になるのが普通です。
同じ振戦性マイコトキシン症は、カビたチーズ・カビたパン・傷んだパスタ・生ごみの堆肥でも起こります。生ごみ用のコンポストや三角コーナーに犬が近づけないようにしてください。なおブラックウォルナットは、ユグロンという別の成分により馬に対しても有毒です。
よくある質問
- 果皮をかじって吐き出しました。大丈夫でしょうか
- 安心はできません。振戦性の毒素はごく少量で作用し、かんでいる間にどれだけ飲み込んだかは分かりません。30分〜3時間が発症の山なので、その間の震えや過敏反応を見つつ、できれば今すぐ病院に連絡してください。
- 今まさに震えています。家でできることはありますか
- 震えは救急のサインです。暗く静かな場所で刺激を減らし、すぐ病院へ向かってください。水や食べ物、吐かせる薬を与えてはいけません。いつ何をどれだけ食べたかをメモし、可能なら現物を袋に入れて持参してください。
- カビが見えなければ与えても平気ですか
- 目に見えるカビだけが危険なのではありません。ペニシリウムは果皮の内側でも育ち、毒素はカビが消えた後も残ります。ブラックウォルナットは状態にかかわらず犬に与えないのが原則です。