ネアポリタン・マスティフ
イタリア南部で農場や屋敷を守ってきた超大型の番犬。たるんだ皮膚としわが特徴で運動量は非常に少ないものの、毎日のしわの手入れとよだれ、暑さへの弱さから日本の夏はとくに厳しい犬種です。
- 体重
- 50–70 kg
- 寿命
- 7–9 年
体重と寿命は犬種ガイドの参考範囲です。性別・系統・個体によって異なり、愛犬の適正体重や寿命を予測するものではありません。性格や世話の負担は、本文と実際の犬の生活歴を合わせて確認してください。
犬種の背景と特徴
ネアポリタン・マスティフはナポリ周辺の農村で屋敷や農場を守ってきた犬で、古代ローマのモロサス系の犬を祖先にもつとされています。第二次世界大戦後にほぼ姿を消し、1940年代以降にイタリアで改めて整理・標準化された経緯があり、いま見られる極端なしわとたるんだ喉の皮膚は比較的新しく強調された特徴です。気質は番犬そのもので、家族には静かで甘えますが見知らぬ人には明確に警戒し、自分の領域に入った相手を自分の判断で処理しようとします。
頭が悪いのではなく、従う理由を自分で納得したがる犬です。
運動と遊び
運動量はきわめて少なめです。成犬なら1日2回、15〜25分ゆっくり歩く程度で足ります。走らせたり長時間歩かせたりすると、関節にも呼吸にも負担がかかります。
成長期は階段と飛び降りを減らし、体重を増やしすぎないことが重要です。
被毛と日常のお手入れ
被毛は短いのに手入れは軽くありません。管理の対象が毛ではなく皮膚だからです。顔と首の重なったしわは湿気と汚れがたまる場所なので、毎日拭いて完全に乾かす必要があります。
数日放置しただけでにおい、皮膚炎、マラセチアなどの感染につながります。よだれも常時出て、頭を振れば壁や床、服まで飛びます。
健康面で確認すること
健康上の問題は体の構造から来ます。まぶたがゆるいため眼瞼外反やチェリーアイが多く、股関節・肘関節形成不全、心疾患、毛包虫症、しわの皮膚炎、胃拡張胃捻転が知られています。暑さへの耐性は低く、寿命は7〜9年と短めです。
住環境と世話の計画
日本で飼うなら、まず夏をどう越すかの計画が先に必要です。マズルが短く体が厚いため熱を逃がしにくく、梅雨から夏の湿度が重なるとしわの内側が乾く時間がありません。6月から9月は日中の散歩をやめ、冷房と除湿を併用し、シャンプーや雨のあとはドライヤーでしわの奥まで確実に乾かしてください。
住宅面では大型犬可の物件の確保に加えて、60kgを超える犬が共用部を通ることへの近隣の受け止め方も考え、エレベーターの利用時間や動線を決めておくと安心です。