ノーリッチ・テリア
イギリスのノーリッチ地方でネズミ捕りから始まり、のちにキツネ猟も担った立ち耳の小型テリアです。明るく社交的で犬同士とも無難に付き合えますが、この犬種特有の気道の狭さを必ず確認してください。
- 体重
- 5–5.4 kg
- 寿命
- 12–15 年
体重と寿命は犬種ガイドの参考範囲です。性別・系統・個体によって異なり、愛犬の適正体重や寿命を予測するものではありません。性格や世話の負担は、本文と実際の犬の生活歴を合わせて確認してください。
犬種の背景と特徴
ノーリッチ・テリアは19世紀のイギリス東部ノーリッチ周辺で、納屋や厩舎のネズミを獲る犬として始まりました。ケンブリッジの学生の間で流行し、その後キツネ猟で巣穴に潜んだ獲物を追い出す役目も担うようになります。ノーフォーク・テリアとはもともと同一犬種で、耳の形だけが違いました。
1960年代に立ち耳をノーリッチとして分けたのが現在の区分です。性格は明るく社交的で人によく懐き、体重5kg台なのでどこへでも連れて行けます。ただし本来は一日中働くために作られた犬だという点を忘れると、暮らしが噛み合わなくなります。
運動と遊び
必要な運動は1日2回、各30分以上です。ここで効くのは距離より刺激の種類です。同じ道を速く歩くより、草むらや植え込みの匂いを20分嗅がせるほうがこの犬にはずっと満足度が高くなります。
室内でもおやつを数か所に隠して探させる、新しい物を調べさせるといった時間を毎日少しずつ作ってください。刺激が足りないと、その分は吠えと噛みに向かいます。小動物への反応が一瞬なので、首に負担のかからない胴輪を使うほうが安全です。
被毛と日常のお手入れ
被毛は硬く水をはじく上毛と下毛のダブルコートです。抜け毛は少ないものの死毛が毛の中に留まるため、週1〜2回のコーミングと半年に一度程度の死毛取りが必要です。バリカンで刈ると硬い質感が失われ色も褪せ、その後の絡みがひどくなります。
耳が立っているぶん通気は良く、外耳炎の負担は垂れ耳の犬種より軽めです。
迎える前に確認すること
迎える前に必ず知っておくべきなのは気道の問題です。この犬種には喉頭が狭く気道が圧迫される上部気道症候群が知られており、該当する個体は普段から呼吸音が大きく、熱がこもりやすくなります。ブリーダーには気道の検査をしているか、近親に症例がいないかを直接尋ねてください。
ほかに膝蓋骨脱臼、股関節形成不全、高齢期の僧帽弁疾患が挙げられます。
住環境と世話の計画
日本で飼う場合、最大の変数は夏です。気道が狭い個体にとって高温多湿は危険です。犬はパンティングで体温を下げますが、気道が狭いとその機能自体が落ちるためです。
真夏は早朝と夜に短く歩き、室内の冷房は切らさず、散歩中に呼吸音がいつもと変わったらすぐに日陰で休ませてください。それ以外は体格も抜け毛もマンション向きで、滑るフローリングにマットを敷けば室内飼育に無理はありません。