チベタン・マスティフ

ヒマラヤ高原で遊牧民の家畜と野営地を守ってきた大型の番犬。夜に警戒して吠える習性、年に一度の激しい換毛、湿った暑さへの弱さがあり、日本の集合住宅には向きません。

チベタン・マスティフ · 参考イラスト
参考イラスト
体重
34–73 kg
寿命
10–12 年

体重と寿命は犬種ガイドの参考範囲です。性別・系統・個体によって異なり、愛犬の適正体重や寿命を予測するものではありません。性格や世話の負担は、本文と実際の犬の生活歴を合わせて確認してください。

犬種の背景と特徴

チベタン・マスティフはチベット高原で、遊牧民の家畜と野営地を夜通し守ってきた犬です。人の指示がない状態で広い範囲を自分で見回る仕事だったため、いまも指示を待つより自分で判断する傾向が非常に強く残っています。見知らぬ人や犬とは距離を取り、自分が認めた相手以外を簡単には受け入れません。

名前にマスティフとありますが、ヨーロッパのモロサス系の番犬とは系統も気質も別の流れに近い犬種です。

運動と遊び

運動量は体格のわりに多くありません。成犬なら1日2回、30〜40分ずつの散歩で足り、ジョギングやドッグスポーツには向きません。ただしこの犬種が本当に求めるのは運動ではなく見回りです。

しっかり囲われた庭があれば自分で巡回して満足しますが、囲いが弱ければ乗り越えたり掘って出たりします。夜間に活動性が上がる習性があり、夜の吠えは飼育を断念する理由として最も多いものです。

被毛と日常のお手入れ

被毛は下毛の詰まったダブルコートで、普段はにおいが少なく手入れも意外に楽ですが、多くは春に一度、数週間かけて下毛が一気に抜けます。その時期は毎日ブラッシングしても追いつかないほどの量が出ます。首回りのたてがみ、耳の後ろ、後ろ足の内側は絡まりやすいので、普段も週2回はとかしてください。

健康面で確認すること

健康面では股関節・肘関節形成不全、甲状腺機能低下症、眼瞼内反、そしてこの犬種で報告されている遺伝性の脱髄性神経障害が知られています。大型犬共通の胃拡張胃捻転にも備える必要があります。

住環境と世話の計画

日本で飼う場合の壁は二つです。ひとつは音で、夜に警戒して吠えるのが本来の仕事であるため、集合住宅では近隣トラブルになりやすく、訓練だけで完全に消すのは難しいものです。もうひとつは夏です。

標高が高く乾燥した気候に合わせた被毛のため、日本の蒸し暑さはこの犬種にとってかなり過酷です。6〜9月は日中の散歩を避け、冷房と涼しい床を確保し、シャンプー後は下毛まで完全に乾かして皮膚病を防いでください。庭と頑丈なフェンスを用意できるかどうかが、事実上この犬種を迎える条件になります。

犬種の比較

出典

  1. FCI — DO-KHYI (230) (TIBETAN MASTIFF)

    犬種名・原産地・外見・分類の標準資料。複数のサイズや毛の種類が含まれる場合は該当する区分を確認してください。

    犬種名・資料URLの確認:

文書更新:

出典と監修状況について

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