アイリッシュ・テリア

アイルランドの農家で害獣を獲り家を守っていた赤い被毛のテリアです。人や子どもには非常に親しみ深い一方、他の犬には引かないため多頭飼いは慎重な検討が要ります。

アイリッシュ・テリア · 参考イラスト
参考イラスト
体重
11.4–12.3 kg
寿命
13–15 年

体重と寿命は犬種ガイドの参考範囲です。性別・系統・個体によって異なり、愛犬の適正体重や寿命を予測するものではありません。性格や世話の負担は、本文と実際の犬の生活歴を合わせて確認してください。

犬種の背景と特徴

アイリッシュ・テリアは、アイルランドの小規模農家で害獣を獲り、家畜を見守り、家を守る何でも屋として働いてきた犬です。単一の仕事に特化しなかったぶん状況判断が速く、環境の変化にもよく順応し、簡単には怯みません。第一次世界大戦では塹壕の間を走る伝令犬として使われ、その胆力で名を上げました。

単色の赤い剛毛がこの犬種の象徴で、体型はテリアの中では長めで軽快です。

性格と暮らし方

気質にははっきりと二つの面があります。人に対しては驚くほど愛情深く、子どもにも寛容で、家庭犬としての評価は高い犬種です。一方で他の犬、とりわけ同性の犬には引きません。

自分から仕掛けることは少なくても、相手が圧をかけてくれば必ず受けて立ちます。そのためドッグランは基本的に向かず、多頭飼いを考えるなら性別の組み合わせと分けられる空間を先に用意する必要があります。これは訓練で消す種類の性質ではなく、管理で付き合う性質です。

運動と遊び

運動は1日1時間以上が必要です。脚が長く速度も持久力もあるため、ジョギングの相手にもなります。ただし囲いのない場所でリードを外すのは避けてください。

追跡が始まると呼び戻しは効きません。トレーニングは理解が速い反面、退屈な反復には付き合わないので、短く頻繁に行い、頭を使う課題を毎日入れてください。

被毛と日常のお手入れ

手入れはテリアの中では中程度です。硬い上毛と柔らかい下毛のダブルコートで、抜け毛は少なく形を整えるカットもあまり要りません。週1〜2回のコーミングと年2〜3回の死毛取りで、赤い色が濃く保たれます。

バリカンで刈ると色が褪せ、毛質も柔らかくなっていきます。

健康面で確認すること

健康面ではこの犬種に強く結びついた問題が二つあります。ひとつは肉球の角化症で、足裏が厚く硬くなって割れ、痛みを伴います。若い時期から出ることが多く、治すというより保湿と余分な角質の処置で付き合う症状です。

足裏が異常にざらついてきたら受診してください。もうひとつはシスチン尿症で、膀胱結石ができ、特に雄では尿道が詰まることがあります。排尿しづらそうにする、尿量が減るといった様子は緊急です。

ほかに甲状腺機能低下症が知られています。

住環境と世話の計画

日本では12kg前後という体格なのでマンションでも飼えますが、本当の課題は散歩環境です。すれ違いの多い狭い遊歩道では、向かってくる犬を避けて方向を変える合図と、横について歩く合図を確実に仕込んでおく必要があります。夏は赤い被毛の下の下毛に熱がこもるため日中を避け、肉球が厚くなりやすい個体では熱いアスファルトが特に負担になるので、出る前に地面の温度を確かめてください。

犬種の比較

出典

  1. FCI — IRISH TERRIER (139)

    犬種名・原産地・外見・分類の標準資料。複数のサイズや毛の種類が含まれる場合は該当する区分を確認してください。

    犬種名・資料URLの確認:

文書更新:

出典と監修状況について

この情報は一般的な参考であり、獣医師の診療に代わるものではありません。愛犬が何かを飲み込んだ場合は、すぐに獣医師に連絡してください。