セント・バーナード
アルプスの峠にある修道院で育てられ、雪の中の遭難者を探していた超大型犬です。性格は穏やかで運動量も多くありませんが、よだれが多く暑さに非常に弱いため、日本の夏は冷房が事実上の必須条件になります。
- 体重
- 54–82 kg
- 寿命
- 8–10 年
体重と寿命は犬種ガイドの参考範囲です。性別・系統・個体によって異なり、愛犬の適正体重や寿命を予測するものではありません。性格や世話の負担は、本文と実際の犬の生活歴を合わせて確認してください。
犬種の背景と特徴
セント・バーナードは、スイスとイタリアを結ぶアルプスの峠にある修道院で生まれた犬種です。はじめは修道士たちの相棒であり番犬でしたが、やがて吹雪の中で道を失った旅人を見つけ、そばに付き添う仕事で知られるようになりました。人に近づいていくことが仕事だった犬なので、基本的に人に友好的で攻撃性が低く、室内では驚くほど静かに自分の場所で過ごします。
ただし穏やかな性格はしつけの代わりにはなりません。60キロを超える犬が嬉しくて前足を上げただけで、子どもや高齢者は簡単に転びます。
運動と遊び
運動量は多くありません。1日30〜45分の平坦な散歩を2回で十分で、激しい運動はむしろ関節に負担です。この犬種で本当に大事な健康管理は体重です。
太った分の重さがそのまま股関節と膝に乗ります。成長の速さも計算に入れてください。1歳になる前にほとんどの人より重くなるので、リードを引っ張らずに歩くことと人に飛びつかないことは、それまでに仕上げておく必要があります。
被毛と日常のお手入れ
被毛はスムース(短毛)とラフ(長毛)の二種類があり、どちらもよく抜けます。週2〜3回のブラッシングで足り、カットは不要です。手がかかるのはむしろ顔まわりです。
唇がたるんでいるためよだれがたまり、水を飲んだあとや興奮したあとには壁まで飛びます。家のあちこちにタオルを置いておくのが、この犬種と暮らす日常です。口の周りと顔のしわは毎日拭いて完全に乾かし、皮膚炎を防いでください。
迎える前に確認すること
初めて飼う人が見落としやすいのは病気と費用です。お腹が急に膨れてねじれる胃拡張胃捻転は数時間で命に関わる緊急事態ですし、股関節・肘関節形成不全、まぶたが内側や外側にめくれる眼瞼内反・外反、骨腫瘍、心疾患もこの犬種で報告されています。平均寿命は8〜10年です。
フード代はもちろん、薬の量も麻酔の費用も体重に比例するので、一度の手術費が小型犬の何倍にもなります。
住環境と世話の計画
日本で迎えるなら、まず夏を見てください。高山で働いていた犬であるうえ体が大きく、体表面積に対する発熱量が多く、マズルが短めなのでパンティングだけでは熱を逃がしにくい体です。真夏は日中の散歩をやめて早朝と夜に移し、室内は冷房と除湿を保ってください。
住まいでは、集合住宅はかなり難しくなります。吠えは激しくありませんが、この体格の犬とエレベーターを共有すること自体が近隣への負担ですし、排泄量とよだれも現実的な問題です。フローリングには必ず滑り止めを敷き、この大きさの犬を入院させられる動物病院を先に探しておいてください。