ベーキングパウダー
危険ベーキングパウダーは重曹に酸性剤を合わせた化学膨張剤です。ナトリウム負荷による食塩中毒に加え、酸性剤が酒石酸水素カリウム(クリームタータ)の製品ではぶどうと同じ急性腎障害のリスクが重なります。容器をひっくり返したら原材料表示を持って動物病院へ。
この食品ガイドは現在、獣医師の監修を受けていません。出典を整理した一般情報であり、個々の犬への給餌や緊急時の判断には使用しないでください。
与える前に確認しましょう
おやつとして与えないでください
体重別の推奨量がない危険な項目です。食べた場合は量・時刻・製品情報を確認して動物病院に連絡し、自分の判断で吐かせないでください。
注意したい症状と健康上の問題
目で分かる症状と、診察・検査で確認する問題が含まれます。この一覧だけで原因や安全性を判断することはできません。
- よだれ
- 嘔吐
- 下痢
- お腹の膨らみ
- 水を多く飲む
- 尿量が増える
- ふらつき・運動失調
- 震え
- けいれん発作
- 血中の窒素老廃物の増加
- 元気がなく、ぐったりする
この食品について詳しく
ベーキングパウダーは単一の物質ではなく配合品です。基剤は炭酸水素ナトリウム(重曹)で、反応のタイミングを決める酸性剤と、固まりを防ぐでんぷんが混ぜてあります。そのため犬が食べたときに確認すべき点が二つになります。ナトリウムの量と、酸性剤が何かです。
まずナトリウムです。Merck獣医マニュアルは、犬では塩化ナトリウム2~3g/kgから中毒症状が出て、急性経口致死量は約4g/kgとしています。ベーキングパウダーはでんぷんと酸性剤で薄まっている分、同じ重さの重曹よりナトリウムは少なめです。それでも粉なので一度に入る量が多く、小型犬が缶をひっくり返してまとまった量を食べたなら、高ナトリウム血症を前提に動く必要があります。血中ナトリウムが急に上がると脳細胞から水が抜け、水分を補うときには逆に脳がむくみます。
二つめが、この項目でいちばん大事なところです。酸性剤に酒石酸水素カリウム(クリームタータ)を使った製品があります。重曹とクリームタータを混ぜて自作するベーキングパウダーは、ほぼこれに当たります。酒石酸は犬に急性腎障害を起こす物質として指摘されており、Merck獣医マニュアルのぶどう・レーズンの項目は、クリームタータやタマリンドを食べて急性腎不全になった犬の症例報告を引用し、ぶどう中毒の原因物質と同じ系統として扱っています。原材料に「酒石酸水素カリウム」「クリームタータ」とあれば、ナトリウムとは別に腎臓の救急として扱ってください。リン酸二水素カルシウム、ピロリン酸ナトリウム、ミョウバン(硫酸アルミニウムナトリウム)だけの製品なら、酒石酸の問題は外れてナトリウムの問題だけが残ります。
時間の流れが二つに分かれます。よだれ、嘔吐、下痢、おなかの張りといった消化器症状は数時間以内です。重曹が胃酸と反応して二酸化炭素を出すため、おなかがぱんぱんに張ることもあります。神経症状は3~24時間かけて出ます。そして酒石酸による腎障害は24~72時間後に血液検査の数値として現れます。この最後のずれがあるので、「食べたけれど元気そう」は安全の証拠になりません。
今することは、容器を探して原材料表示を写真に撮り、減った量と体重、食べた時刻をメモして、すぐにかかりつけの動物病院、夜間なら救急動物病院に連絡することです。水は絶対に取り上げないでください。ただし無理に大量に飲ませるのもいけません。家庭で吐かせないでください。催吐処置、活性炭の投与、点滴、腎機能の追跡は、いずれも獣医師が判断して行う処置です。
よくある質問
- 原材料に酒石酸水素カリウムと書いてあります
- その製品はナトリウムの問題に加えて腎臓のリスクも別に見る必要があります。酒石酸はぶどう中毒の原因物質として指摘されている成分で、Merckはクリームタータを食べて急性腎不全になった犬の症例を引用しています。表示を撮影して、いますぐ動物病院に連絡してください。
- ベーキングパウダー入りのケーキやホットケーキを一切れ食べました
- 焼き上がった後は反応が終わっており、一切れに残る量もごくわずかなので、膨張剤そのものが救急になることはまれです。同じ生地に入っていたチョコレート、レーズン、キシリトール、ナッツを先に確認してください。脂質と糖の多いケーキを大量に食べた場合は膵炎の心配もあります。
- どれだけ食べたか分かりません。様子を見てもよいですか
- 様子見はおすすめしません。ナトリウムによる神経症状は3~24時間後、酒石酸による腎障害は24~72時間後に出るため、初期に元気なのはむしろ普通です。容器がどれだけ減ったかだけ確認して動物病院に伝えてください。