アメリカン・ウォーター・スパニエル
アメリカ中西部の川で小舟に同乗し、冷たい水からカモを回収してきた中型の猟犬です。体は集合住宅向きの大きさですが、運動量とよく鳴く性質は軽く見ないほうがいい犬種です。
- 体重
- 11–20 kg
- 寿命
- 10–14 年
体重と寿命は犬種ガイドの参考範囲です。性別・系統・個体によって異なり、愛犬の適正体重や寿命を予測するものではありません。性格や世話の負担は、本文と実際の犬の生活歴を合わせて確認してください。
犬種の背景と特徴
アメリカン・ウォーター・スパニエルは、19世紀半ばにアメリカ中西部、とくにウィスコンシンの川や湖の周辺でまとまった猟犬です。この犬種を理解する鍵は体格にあります。猟師が小さな木造の舟で川を移動していたため、舟に同乗できるほど小さく、それでいて冷たい水に飛び込んでカモを回収できる犬が必要でした。
11〜20キロという現在の体格はその要求の結果です。ウィスコンシン州の州犬に指定されていますが、アメリカ国外ではほとんど見かけない希少な犬種です。
運動と遊び
運動は1日1時間ほどが目安です。体が小さいからといって要求も小さいわけではなく、回収遊びや水遊び、匂いを使った課題など目的のある活動を混ぜないと満たされません。リードでの散歩だけで済ませようとすると、室内で鳴いたり繰り返し吠えたりする癖につながります。
要求を声で伝える性質があるため、静かにする合図を早い段階で教えることが訓練の柱になります。
被毛と日常のお手入れ
被毛は波状かカールした密なダブルコートで、やや油分があって水をはじきます。そのおかげで抜け毛は少なめですが、濡れると独特の犬らしい匂いが出る点は知っておいたほうがよいでしょう。週1〜2回、耳の後ろや首の下の絡まりをほぐし、全身カットより足まわりと耳周りを整える程度で足ります。
泳いだあとは必ず耳を乾かしてください。
迎える前に確認すること
初めて飼う人が見落とすのは、自分で判断する一面です。人が好きで覚えも早い一方、特定の一人に強く結びつきやすく、単調な訓練には自己流で動きます。短く、ご褒美がはっきりした練習が向いています。
健康面では股関節形成不全、白内障、甲状腺機能低下症、そして垂れ耳と水遊びが重なって起こる外耳炎が挙げられます。
住環境と世話の計画
日本では体格は集合住宅に収まりますが、鳴き声と梅雨から夏の湿度の二点を計算に入れてください。カールしたダブルコートは根元まで乾くのに時間がかかり、湿気の多い季節は皮膚炎と外耳炎の原因になります。シャンプー後は完全に乾かし、夏は胴回りを短めに整えると管理が楽です。
国内ではまず出会えない犬種なので、迎える経路の確保から現実的に考える必要があります。