オッターハウンド
イギリスでカワウソを水中まで追跡するために作られた大型嗅覚ハウンド。油分を含む粗い被毛と水かきのある足を持ち、遠くまで届く吠え声と世界的な希少性が飼育の前提になります。
- 体重
- 36–52 kg
- 寿命
- 10–13 年
体重と寿命は犬種ガイドの参考範囲です。性別・系統・個体によって異なり、愛犬の適正体重や寿命を予測するものではありません。性格や世話の負担は、本文と実際の犬の生活歴を合わせて確認してください。
犬種の背景と特徴
オッターハウンドは、イギリスで川のカワウソを追うために作られた大型の嗅覚ハウンドです。濡れたまま何時間も匂いを追う仕事だったため、油分を含む硬い上毛と密な下毛、水かきの発達した足、そして非常に優れた嗅覚を備えています。カワウソ猟が終わると役割を失って頭数が激減し、現在は世界的に見ても最も希少な犬種のひとつです。
イギリスのケネルクラブでも保護が必要な在来犬種として扱われています。性格はハウンドらしく人懐こく、来客を警戒しませんが、匂いを追い始めると呼びかけが届かなくなります。
運動と遊び
運動は1日1〜1時間半が目安ですが、歩く距離より匂いを嗅ぐ時間のほうが重要です。嗅覚を使わせないと退屈が室内での破壊行動として出ます。ノーズワークやばら撒き給餌、散歩中に十分に嗅がせる時間を確保するほうが、距離を伸ばすより効果があります。
水が大好きで機会があれば迷わず入るため、川や海に連れて行くなら大型犬を乾かす準備が必要です。囲いのない場所でリードを外すのは避けてください。
被毛と日常のお手入れ
手入れは他のハウンドと比べてかなり手がかかります。週1〜2回、根元まで届くブラッシングで毛玉を防ぎ、口ひげは食事と飲水のたびに拭いてください。放置すると水と食べ物を含んで臭いの原因になります。
シャンプーや水遊びのあとは下毛まで完全に乾かす必要があり、大型犬用のドライヤーがほぼ必須です。
健康面で確認すること
健康面では股関節形成不全、胸の深い大型犬に共通する胃拡張胃捻転、てんかん、そしてこの犬種で知られる血小板機能の異常による出血傾向が挙げられます。手術や抜歯の前には血液凝固に関する検査を獣医師と相談しておくと安心です。食事は1日2〜3回に分け、食後1時間は安静にさせてください。
住環境と世話の計画
日本で飼う場合、まず入手が大きな壁になります。国内にはほとんどおらず、海外のブリーダーの順番待ちが現実的な選択肢になります。住環境では体格より声が先に問題になります。
谷を越えて届くように作られた吠え声は集合住宅では確実に響くため、留守番時間を短く保ち、子犬のうちから留守番の練習を積むことが欠かせません。夏は厚い下毛と高い湿度で熱がこもるので日中の散歩を避け、濡れた被毛を乾かさずに放置しないでください。皮膚炎と外耳炎の入り口になります。