鉄剤
危険鉄剤は犬に消化管出血、ショック、肝不全を起こします。Merckは元素鉄で50mg/kgを超えると除去処置、80mg/kgを超えると追加治療と監視が必要としています。途中で回復したように見える時間帯が落とし穴です。
この食品ガイドは現在、獣医師の監修を受けていません。出典を整理した一般情報であり、個々の犬への給餌や緊急時の判断には使用しないでください。
与える前に確認しましょう
おやつとして与えないでください
体重別の推奨量がない危険な項目です。食べた場合は量・時刻・製品情報を確認して動物病院に連絡し、自分の判断で吐かせないでください。
注意したい症状と健康上の問題
目で分かる症状と、診察・検査で確認する問題が含まれます。この一覧だけで原因や安全性を判断することはできません。
- 嘔吐
- 血の混じった下痢
- 黒いタール状の便
- 腹痛
- 元気がなく、ぐったりする
- 元気や反応が乏しくなる
- 発熱
- ショック・循環不全
- 肝不全
- 尿量が減る
- 尿が出ない
この食品について詳しく
鉄剤の事故で恐ろしいのは成分よりも時間の流れです。Merck獣医マニュアルは、鉄中毒の症状は通常6時間以内に現れ、嘔吐と下痢が先に出たあと、12~24時間後に循環血液量減少性ショック、元気消失、発熱、アシドーシス、肝不全が続き、その間に見かけ上回復したように見える時期があることが多い、としています。朝に吐いた犬が昼には元気に見えて受診を見送り、夜にショックで運ばれる。この経路がここから生まれます。
基準になる量は「元素鉄(鉄として)」で計算します。Merckは元素鉄50mg/kgを超えると一般に除去処置が必要で、80mg/kgを超えると追加の治療と監視が必要としています。5kgの犬ならそれぞれ250mgと400mgです。問題は、ラベルの数字が元素鉄とは限らないことです。硫酸第一鉄は約20%、フマル酸第一鉄は約33%、グルコン酸第一鉄は約12%しか鉄ではありません。ラベルの「鉄として○mg」という表示を探し、その数字に粒数を掛けて体重で割ってください。
日本の家庭で多い入り口は、妊娠中に処方される鉄剤、貧血で服用中の鉄剤、鉄入りのマルチビタミン、そして小児用の鉄シロップです。糖衣錠はつるつるしていて丸のみされやすく、妊婦向け製品は含量が高めです。
症状は、嘔吐と下痢(血が混じることもあります)、腹痛から始まり、元気消失、発熱、ショック、黒い便へ進み、その後に肝不全と乏尿・無尿が続きます。治療は時間との勝負です。Merckは血清鉄を曝露の4~6時間後に測定し、500mcg/dLを超える場合はキレート療法を検討、特異的キレート剤のデフェロキサミンは摂取後24時間以内が最も有効で、尿の色が正常に戻るまで12~72時間続けるとしています。なお鉄は活性炭に吸着されにくく、Merckは除去処置として水酸化マグネシウムと炭酸カルシウムを挙げています。
今すべきことはこうです。製品名とラベルの鉄含量、なくなった粒数、時刻、体重を控えて、すぐに動物病院に連絡してください。ボトルとラベルごと持参し、家庭で無理に吐かせないでください。そして途中で元気に見えても、受診の予定を先送りにしないでください。その時間は回復ではなく潜伏です。
よくある質問
- 鉄剤を数粒食べましたが、今は元気そうです
- それが最も危険な誤解です。Merckは初期の嘔吐・下痢のあとに見かけ上の回復期があり、12~24時間後にショックや肝不全が来ると記しています。今元気なことは安全の証拠になりません。ラベルの鉄含量と粒数を伝えて、今すぐ病院に連絡してください。
- 何mgから危険ですか。ラベルに数字がいくつもあります
- 基準は「鉄として」の量です。Merckは50mg/kg超で除去処置、80mg/kg超で追加治療が必要としています。硫酸第一鉄は約20%、フマル酸第一鉄は約33%しか鉄ではないので、「鉄として○mg」の表示を探し、粒数を掛けて体重で割って比べてください。
- 鉄入りのマルチビタミンなら危険は少ないですか
- 含量は低めのことが多いですが安全という意味ではなく、ビタミンDや亜鉛など他の成分も同時に問題になります。子ども向けのチュアブルは味がよく、何粒も食べてしまいがちです。成分表示をそのまま持参し、なくなった粒数を数えて相談してください。