イブプロフェン
危険イブプロフェンは犬に胃腸潰瘍、急性腎障害、けいれんを起こします。Merckでは急性100~125mg/kgで消化器症状、175~300mg/kgで腎不全、400mg/kg超で中枢神経症状が報告されています。
この食品ガイドは現在、獣医師の監修を受けていません。出典を整理した一般情報であり、個々の犬への給餌や緊急時の判断には使用しないでください。
与える前に確認しましょう
おやつとして与えないでください
体重別の推奨量がない危険な項目です。食べた場合は量・時刻・製品情報を確認して動物病院に連絡し、自分の判断で吐かせないでください。
注意したい症状と健康上の問題
目で分かる症状と、診察・検査で確認する問題が含まれます。この一覧だけで原因や安全性を判断することはできません。
- 嘔吐
- 血の混じった下痢
- 黒いタール状の便
- 腹痛
- 食欲不振
- 元気がなく、ぐったりする
- 尿量が増える
- 尿量が減る
- 血中の窒素老廃物の増加
- ふらつき・運動失調
- けいれん発作
- 消化管穿孔
この食品について詳しく
イブプロフェンは人には身近な鎮痛薬ですが、犬では安全域が狭い薬です。Merck獣医マニュアルが示す用量域は次のとおりです。急性に100~125mg/kgを摂取すると嘔吐、下痢、吐き気、腹痛、食欲不振が出ます。175~300mg/kgでは腎不全が起こりうるとされ、400mg/kgを超えるとけいれん、運動失調、無気力、昏睡といった中枢神経症状が現れます。より意外なのは低い用量のほうで、同マニュアルは犬に8~16mg/kgを1日1回30日間投与したところ胃潰瘍やびらんが生じたと記録しています。少量を続けることも危険だということです。
錠剤に置き換えます。イブプロフェン200mg1錠は2kgの犬で100mg/kg、つまり急性の消化器症状域に一気に入ります。5kgの犬が2錠(400mg)で80mg/kgです。10kgの犬に200mg1錠は20mg/kgですが、これを数日繰り返せば胃の粘膜が荒れる範囲です。日本の家庭にある「イブ」「ブルフェン」「イブA錠」などが該当します。糖衣錠や液状カプセルは表面が甘く、丸ごと飲み込まれやすいことも問題です。ロキソプロフェン(ロキソニン)は成分こそ違いますが同じNSAIDであり、自己判断で犬に与えてはいけません。
仕組みを知ると対応が早くなります。イブプロフェンは、胃の粘膜を守り腎臓への血流を保つプロスタグランジンを同時に抑えます。そのため胃壁がただれて出血し、同時に腎臓が血流不足に陥ります。Pet Poison Helplineは、中毒量では血の混じった嘔吐と下痢、最初は多尿でやがて尿が出なくなる腎障害、無気力から昏睡へ進む神経症状が出ると警告しています。黒いタール状の便やコーヒー残渣のような吐物は、消化管出血のサインです。
今すべきことはこうです。製品名と含量、なくなった錠数、時刻、体重を控えて、すぐに動物病院に連絡してください。包装ごと持参してください。家庭で無理に吐かせないでください。催吐の可否、活性炭、胃粘膜保護薬、48~72時間の点滴と腎数値の追跡は獣医師が判断します。今後も人用の鎮痛薬を自己判断で与えないでください。犬用に承認されたNSAIDが別にあり、用量は体重から計算します。
よくある質問
- イブプロフェン200mgを1錠飲みました
- 体重で計算してください。2kgの犬なら100mg/kgでMerckの消化器症状域、10kgなら20mg/kgです。いずれにせよ安全とされる用量はないので、体重・含量・時刻を伝えて動物病院に電話し、指示に従ってください。
- 関節を痛がるので、人の鎮痛薬を少しだけ与えてもよいですか
- やめてください。Merckは1日8~16mg/kgを30日間与えた犬に胃潰瘍が生じたと記録しています。少量でも繰り返せば胃と腎臓を傷めます。犬に承認された消炎鎮痛薬があるので、獣医師に体重に合わせて処方してもらってください。
- 二日前に飲んで、いま黒い便が出ています
- 黒いタール状の便は、消化管から出た血液が消化されたサインです。朝を待たず今すぐ受診してください。この段階では胃の保護に加えて貧血と腎数値の確認が必要で、遅れるほど潰瘍が穿孔する危険が高まります。