松の実
注意松の実に犬を中毒させる成分は知られていませんが、身近なナッツの中でも脂質がとくに多く、少し多めに食べるだけで消化器症状や膵炎の危険があります。実際には一緒に使われる調味料のほうが問題になりがちです。
この食品ガイドは現在、獣医師の監修を受けていません。出典を整理した一般情報であり、個々の犬への給餌や緊急時の判断には使用しないでください。
与える前に確認しましょう
あげる前に注意点を確認
調理・成分・量によってリスクが異なる項目です。まず下の注意事項を確認し、体重だけで安全な量を計算しません。
注意したい症状と健康上の問題
目で分かる症状と、診察・検査で確認する問題が含まれます。この一覧だけで原因や安全性を判断することはできません。
- 嘔吐
- 下痢
- 軟便
- おなら・ガスの増加
- 腹痛
- 食欲不振
- 元気がなく、ぐったりする
- 膵炎
この食品について詳しく
松の実は、犬にとって毒性が知られているナッツではありません。マカダミアナッツやカビの生えたくるみのような神経症状を起こす成分は確認されておらず、数粒拾い食いしたくらいで中毒になることはありません。それでも注意が必要なのは、脂質の多さと、松の実が使われる料理のためです。
まず脂質です。松の実は100gあたり脂質が60gを超え、エネルギーは670kcal前後で、家庭にある木の実の中でも脂質がとくに多い部類です。米国動物虐待防止協会(ASPCA)は、ナッツ類が油脂を多く含み、消化器症状や膵炎の原因になり得ると案内しています。体重5kgの犬にとってひとつかみの松の実は、一日の必要エネルギーのかなりの部分を脂質だけで埋めることになります。急性膵炎はたいてい食後24〜72時間で現れます。食事を拒み、嘔吐を繰り返し、前足を伏せてお尻を上げる姿勢をとり、おなかを触られるのを嫌がります。この組み合わせが見えたら様子見をせず受診してください。その手前では、軟便、下痢、脂っぽい便、おならの増加が先に出ます。
二つ目は、松の実がどこに入っているかです。日本では単体で食べるより、中華の炒め物、松の実入りの和え物、韓国料理の薬食やナムル、ジェノベーゼソース、パンや焼き菓子の具材として入ってきます。これらにはたいてい塩、しょうゆ、砂糖、油、そして玉ねぎやにんにくが一緒に使われます。玉ねぎとにんにくは犬の赤血球を壊す有毒食品なので、料理から松の実だけを取り分けても安全にはなりません。ジェノベーゼはにんにくとチーズと油の塊で、松の実よりそちらが受診の理由になります。
三つ目は、体調を崩した犬に手作りのおかゆを作る場合です。松の実入りのかゆは選ばないでください。回復期の消化管に必要なのは低脂肪食で、松の実はその正反対です。嘔吐や下痢のあとの回復食は、獣医師が処方する消化器用療法食か、脂を落とした白身のたんぱく質にしてください。
補足として、人では特定の松の実を食べたあと数日間口の中が苦く感じる現象が報告されていますが、犬で同じ現象を報告した資料はありません。
実際の対応としては、数粒を食べた中型犬以上なら12〜24時間の観察で足りることが多いです。ひとつかみ以上を食べた、小型犬が食べた、味付けされた料理ごと食べた場合は、かかりつけの動物病院に電話して相談してください。家庭で無理に吐かせないでください。
よくある質問
- ジェノベーゼのパスタを食べてしまいました
- 問題は松の実よりソースです。にんにく、オリーブオイル、チーズが主体で、にんにくは犬の赤血球を壊し、油とチーズは脂質と塩分の負荷になります。食べた量と体重を伝えて動物病院に相談してください。
- 松の実は何粒までなら平気ですか
- 中毒量ではなく脂質の量が基準になり、体格によって変わります。大型犬が数粒なら観察で足りますが、小型犬がひとつかみ食べた場合は24〜72時間の膵炎リスクがあるため電話で相談してください。
- 下痢のときに松の実入りのかゆを作ってもよいですか
- おすすめしません。松の実は脂質が非常に多く、回復中の消化管に負担をかけ膵炎の危険を上げます。回復食は獣医師が処方する消化器用療法食か、脂を落とした白身のたんぱく質にしてください。