煮干し(いりこ)
注意だし用の煮干しは塩水で煮てから乾燥させるため塩分が身の中まで入っています。塩中毒は体重1kgあたり2〜3gの食塩から起こり、与えてよいのはペット用の食塩無添加煮干しを少量だけです。
この食品ガイドは現在、獣医師の監修を受けていません。出典を整理した一般情報であり、個々の犬への給餌や緊急時の判断には使用しないでください。
与える前に確認しましょう
あげる前に注意点を確認
調理・成分・量によってリスクが異なる項目です。まず下の注意事項を確認し、体重だけで安全な量を計算しません。
注意したい症状と健康上の問題
目で分かる症状と、診察・検査で確認する問題が含まれます。この一覧だけで原因や安全性を判断することはできません。
- 水を多く飲む
- 尿量が増える
- 嘔吐
- 下痢
- 震え
- けいれん発作
この食品について詳しく
煮干し(いりこ)は魚そのものに毒があるわけではありません。危険なのは加工の仕方です。だし用の煮干しは水揚げ後すぐに塩水で煮て乾燥させたもので、塩分は表面ではなく身の中まで入っています。「無添加の自然なカルシウムおやつ」というイメージとは違い、台所にあるだし用煮干しは犬にとって塩のかたまりに近い食品です。Merck獣医マニュアルでは、塩化ナトリウムは体重1kgあたり2〜3gで中毒を起こすとされています。体重5kgの小型犬なら10〜15g、塩でいえば大さじ1杯程度です。だし用煮干しには栄養成分表示がないため、何匹でその量になるのかは誰にも計算できません。だからこそ「一匹くらい」を一日に何度も繰り返す与え方が、小型犬でいちばん危険な形になります。
日本の食卓には煮干しの入り口がたくさんあります。だしを取ったあとの出し殻、味付け煮干しのおつまみ、おせちの田作り(ごまめ)、ふりかけ、そしてめんつゆや味噌汁そのもの。田作りは醤油・砂糖・みりんで甘辛く味つけしてあり、塩分も糖分も上乗せされます。韓国風のいりこ炒め(멸치볶음)にはにんにくが入っており、にんにくはネギ属として犬の赤血球を壊し溶血性貧血を起こすため、その場合は塩分事故であると同時ににんにく事故としても扱う必要があります。
塩分過多の症状はふつう3〜24時間の間に出ます。まず水を異常に多く飲み、尿の回数が増えます。続いて嘔吐と下痢が起こり、高ナトリウム血症が進むと震え、ふらつき、けいれん発作に至ります。ここまで来ると救急です。味付きの煮干しをまとまった量食べたとわかっているなら、症状を待たずにかかりつけの動物病院へ連絡してください。夜間や休診日は夜間救急動物病院へ。家庭で無理に吐かせてはいけません。逆に、水を飲ませないようにするのも危険です。新鮮な水は自由に飲めるようにしておき、輸液が必要かどうかは血中ナトリウムを見て獣医師が判断します。ナトリウムを急いで下げると脳浮腫を起こすため、家庭で調整できる領域ではありません。
与えてよい形はひとつだけです。ペット用として売られている食塩無添加の煮干しを、おやつ程度の少量で。だし用・炒め用の煮干し、田作り、だし汁、魚醤は犬の食器に入れないでください。心臓病や腎臓病のある犬、体重の非常に小さい犬では、無塩でないものは一匹も例外にしないでください。
よくある質問
- だしを取ったあとの出し殻を一匹あげてしまいました。
- 健康な中型犬が一匹食べて急性中毒になることはまれです。ただしだし用煮干しには塩分表示がなく量を計算できないため、習慣にすると蓄積します。水を自由に飲めるようにして、水を異常に飲む、嘔吐、下痢があれば動物病院へ連絡してください。小型犬や心臓・腎臓に病気のある犬には一匹も与えないでください。
- おせちの田作りを食べてしまいました。
- 田作りは醤油・砂糖・みりんで味つけされており、素の煮干しより塩分も糖分も高くなっています。体重に対してまとまった量を食べたなら、症状を待たずに動物病院へ連絡してください。3〜24時間のうちに多飲多尿、嘔吐、下痢、震えが出ないか観察が必要です。
- 食塩無添加の煮干しなら毎日あげてよいですか?
- 無塩のものはずっと安全ですが、主食ではなくおやつです。少量で、毎日より時々にしてください。骨ごと食べる魚なのでカルシウムとリンが多く、総合栄養食を食べている犬に大量に足すと栄養バランスが崩れます。